私たちが挑戦するもの

はじめまして、ASOBITASU代表の狩野聖子です。
少しだけASOBITASUの立ち上げに至った想いをお伝えさせてください。

私は18歳の時にクローン病という難病に罹患し、20数年経ちます。
クローン病とは潰瘍性大腸炎と合わせてIBDと総称され、大腸や小腸など消化器官に炎症ができる疾患です。IBDは、腹痛、下痢が主な症状であるため、トイレの回数の急増や食事の制限、また日常的な倦怠感など、日常生活に様々な影響があります。また、これから社会で活躍する10代~20代の若年世代に好発する為、就職、妊娠、結婚等様々なライフステージへの影響も大きいのが現状です。緩解(症状が落ち着いている時期)と再燃(悪化する時期)を繰り返すのが特徴的で今のところ完治につながる治療法はなく、緩解時期を長く維持することが目標とされています。最新の統計によると、現在患者数は29万人と報告されており、IBD患者は指定難病の中でも極めて就労率が高く、約7割の方が就労しています。
更に、障がい者手帳取得率は低く、また、手帳を取得できない難病のみでは、障がい者雇用率にも現時点では含まれないため、難病がありながらも一般雇用の方と同じフィールドで働いている方がほとんどなのです。

IBD患者29万人の約7割の方が就労している。
これはつまりどういうことか、、、
それは、あなたの隣にいる誰かが、もしかしたら見た目ではわからないが、問題を抱えながら一緒に働いているのかもしれないのです。
 
私たちASOBITASUは、”目には見えない多様性”を知ってもらうべく挑戦しています。
その先にある世界を創造するために。

ASOBITASU代表 狩野 聖子

奈良県出身。
社会福祉士、精神保健福祉士。

障がいのある方の自立生活を支えるNPO法人での支援相談員、
自治体の委託事業である生活困窮者への就労支援の専門相談員として携わる。
自身のクローン病での「生きづらさ」や「働きづらさ」の経験から、大学院で「炎症性腸疾患患者がもつ働きづらさ」の当事者研究を行う。また、NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン「クローン病の語りデーターベース」インタビューイー、アドバイザリー委員としても参加。
 
主要論文 「炎症性腸疾患患者がもつ「働きづらさ」の研究-ライフストーリーから見るアイデンティティの変容-」『昭和女子大学大学院生活機構研究科紀要』,Vol.25, 51-64, 2016.
 
著書 『トイレのおかあさん』文芸社

狩野聖子